※この記事は「人生を前向きに歩んでいくための心の土台づくり」と題して、前ぴょんが朝来市広報誌2018年8月号〜2019年3月号までシリーズで寄稿しているコラムの10月号分です。

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  • 「条件付きの愛」

5年ほど前、長男がまだ4歳の時に、私は子どもに優秀な人間に育ってほしいという思いが強く、遊びで算盤を教えていました。しかしすっかり父親側に熱が入ってしまい、「なんでこんな簡単なことがわからんねん!」と声を荒げて怒ったことがありました。おどおどと不安そうな長男の顔を今でも覚えています。やっちまいました。これは「条件付きの愛」です。

 

「条件付きの愛」とは

 

「成績が良いあなたは好き」

「みんなと仲良くできない子はダメだ」

 

など、親が定めた条件をクリアしたときだけ認める関わりを言います。「条件付きの愛」を押し付けると、子どもは萎縮したり投げやりになったりして、過剰に親の目を気にするようになりがちです。

例えば子供に「テストが悪かった」と打ち明けられた時に、「だから勉強しなさいって言ったのに!」と叱ってしまうと、子どもは

 

「次また悪い点を取ったらもう見捨てられるかな。。」

「どうせ成績が良くないオレなんて。。」

「もう相談もしたくないや。」

 

と自分が学びたいからではなく、親の機嫌を取るためにひとまず机に向かいますが、そのような精神状態で力を発揮できるかというと、、疑問です。

 

 

  • 期待値未満の時こそ、自己肯定感を育むチャンス

子どもの努力が実らず、親の理想通りにならなくても、決して非難せず、まずは頑張ったことを認めることが大切です。そうすれば、「期待通りにできなかった自分でも認めてもらえるんだ!」と、自己肯定感が育まれます。そう、期待値未満の時こそ、自己肯定感を育むチャンスなのです。

 

このような信頼関係を築ければ、親子間で何でも打ち明けやすくなり、社会に出ても過剰に人目を気にせず、自分らしく振舞えるようになるのだと思います。

 

自分好みの条件を付けて子どもたちを「愛して」いた私は、過去を挽回すべく、今では「お父さんは好きなようにしてる。お前らも好きに生きる権利があるからな!」と、彼らに飲み過ぎを指摘された時は熱く語っています。

 

朝来市広報誌2018年10月号