所長の研究日誌

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NPO法人他力本願研究所 所長
前川進介

物事の考え方や捉え方、人の感情のあれやこれやについて自由に書きまーす

自分らしさを奪う「条件付きの愛」(朝来市寄稿コラム)

※この記事は「人生を前向きに歩んでいくための心の土台づくり」と題して、前ぴょんが朝来市広報誌2018年8月号〜2019年3月号までシリーズで寄稿しているコラムの10月号分です。

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  • 「条件付きの愛」

5年ほど前、長男がまだ4歳の時に、私は子どもに優秀な人間に育ってほしいという思いが強く、遊びで算盤を教えていました。しかしすっかり父親側に熱が入ってしまい、「なんでこんな簡単なことがわからんねん!」と声を荒げて怒ったことがありました。おどおどと不安そうな長男の顔を今でも覚えています。やっちまいました。これは「条件付きの愛」です。

 

「条件付きの愛」とは

 

「成績が良いあなたは好き」

「みんなと仲良くできない子はダメだ」

 

など、親が定めた条件をクリアしたときだけ認める関わりを言います。「条件付きの愛」を押し付けると、子どもは萎縮したり投げやりになったりして、過剰に親の目を気にするようになりがちです。

依存症を招く希薄なつながり(朝来市寄稿コラム)

※この記事は「人生を前向きに歩んでいくための心の土台づくり」と題して、前ぴょんが朝来市広報誌2018年8月号〜2019年3月号までシリーズで寄稿しているコラムの9月号分です。

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何かに救いを求めて記憶が無くなるまでお酒を飲んだところで、救いは得られない。7年ほど前、私は経営している会社でのトラブルから、鬱状態に陥りました。当時助けて欲しいと願っていた家族とのつながりを感じることができなくて飲酒量が増え、アルコールに依存していきました。幸い、様々な人とのつながりの中で自分を見つめ直すことができ、鬱を克服し、今ではお酒を楽しく飲めていますし、家族とも仲良く暮らしています。

 

 

さて、私の経験からも言えることですが、人は人とのつながりを希薄に感じていると、不健全な何かへの依存に陥りやすくなると考えられています。これはアメリカの話題ですが、ベトナム戦争で極度のストレス状態におかれ麻薬依存に陥った米兵でも、帰国後家族とのつながりを感じながら過ごせば、心のバランスを取り戻し、結果的に95%の人が麻薬使用を辞められたという追跡調査があります。(出典 chasing the scream :Johann Hari)。

 

 

特に心が育まれていく子ども時代において、「家族との健全なつながり」を築いておけば、将来に渡って依存症になりにくくなります。裏を返せば、幼少期にそのつながりを築けなかった場合は、将来的に何かしらの依存症に陥る可能性が高くなります。

「依存と自立の行き来」で人生を強くしなやかに生きていく(朝来市寄稿コラム)

※この記事は「人生を前向きに歩んでいくための心の土台づくり」と題して、前ぴょんが朝来市広報誌2018年8月号〜2019年3月号までシリーズで寄稿しているコラムの8月号分です。

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今年は「平成30年7月豪雨」によって、朝来市内外で大きな被害が出てしまいました。被害に遭われた方においては精神的にも辛い状況になられたとお察しいたします。そしてそんな時に、「助けて」「手伝ってほしい」と言えること、また言える相手がいることは、その方が心を折られることなく、強くしなやかな人生を歩まれるためにとても重要なことだと思います。また、一旦はそうして辛い気持ちを受け止めてもらい、十分に英気を養うことができたならば、また自立した生活に戻られていくことでしょう。

 

 

このように、人間生きていれば、何かに依存して甘えたい時もあれば、自ら奮い立って自立していきたい時もあるものです。私は、この「依存と自立の行き来」が上手にできる人、つまり、甘えたい時に素直に甘えることができ、自分の意思で動きたい時に動くことができる人ほど、強くしなやかな人生を送られると考えています。

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